断 乳 (その1)
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虫歯の治療中に妊娠がわかり、なんとなく中断したまま授乳へ突入してしまった無計画な私。何度か歯医者へ行ってはみたが、決まって、 「これはもう助かりません。抜歯ですね。」 なんて言われるもんだから、ますますビビって、虫歯の存在を無視することに決め込んでいた。
ところが、この夏、なんとなく歯茎が痛い。日に日に痛みは増し、大豆くらいの腫れとなって破裂し、一気に収束した。 がっ!収束しなかたのは私の恐怖心の方だった。虫歯が腐って骨まで溶かし始めたとか、虫歯菌が歯茎の中に菌糸を増殖させているとか、次から次へとおぞましい想像が膨らみ、ほとんど腰を抜かしかけながら歯医者へ行く決心をしたのだった。
抜歯となると、麻酔に痛み止めに抗生物質と薬漬けになる。おっぱいにも成分が出てしまうらしく、その間は禁乳である。どこかで授乳中だからと痲酔なしで親不知を抜いたという武勇伝を耳にして、一瞬その気になったが、 「癒着しているので、とても大変な抜歯になります。痛み止めはまだしも、抗生物質はきちんと飲んでください。」 と、第2武勇伝の主人公になる道は閉ざされてしまった。
考えてみれば、娘は2歳2ヶ月。とっくに断乳していても、おかしくはない。近頃は授乳室へ入るのも恥ずかしく、人がいないスキをついたり、いちいち車へ戻ったりして面倒だった。 それに今は夏。もうすぐ夫の夏休み!断乳決行時には、入浴・寝かし付け・添い寝を誰かに代行してもらわねばならない。今を逃すと夫は仕事を理由に、この大役(大厄?)を拒否するに決まっている。 今しかない!この時を逃してなるものか!
こうして、3年半放置した虫歯の根絶と、2年2ヶ月にわたる授乳生活からの卒業が決まった。
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