断 乳 (その2)

 

 

  

 決めたら一直線!が私のささやかな良いところ。さっそく、その晩に「断乳計画」を発表し、最重要補佐役に夫を任命した。

 

 何の断りもなく突然ではかわいそうだからと、娘への根回しも始める。

「もうお姉ちゃんだし、アイスとかブドウとか、美味しいものを食べられるんだから、おっぱいバイバイしようよ。」

と言うと、目をキラキラさせて立ち上がり、冷蔵庫を指さし、

「アイスクリーム?アイスあそこよ。ちょーだい!」

と、都合の良いところだけを選りすぐって解釈し、肝心の所は聞いちゃいないのだった。

 

 これじゃイカンと少しあせって、次は授乳中に話しかける。

「ねえ、もう大きくなったから、そろそろおっぱいバイバイしようか?」

すると今度は、目に涙を浮かべて、うなだれて首を横に振り続けたものだから、おもしろいリアクションを期待していた私の方が動揺してしまった。

 その上、その夜は何度も何度も悲しげに泣いて起きた。あまりの不憫さに、私は胸がいっぱいになり、もう断乳なんてどうでもいい気がしてきた。

 この子が「いらん」と言うまで飲ませてやろう。虫歯なんて無視、無視。歯なんかいくらだってくれてやるっ!と、自慢の「手のひら返し」を炸裂させ、コロっと方針を変えていたのだった。

 

 そしてこの日から、私の心は断乳・続乳の間で、グラグラ揺れ続けたのである。

 

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